秋の夜長のBethlehem Jazz Collection

 ジャズを聞き始めた高校生のころ、BethlehemレーベルのオムニバスのLPをレンタルレコード屋で借りて、カセットテープにダビングしてずっと聞いていた。今思い出しても良い選曲だったと思うので紹介したい。改めて取り出してみるとバラード中心のセレクトになっているので、そういう趣向のオムニバスLPだったのかもしれない。紹介する曲順は、当時借りたLPを思い出して、ほぼそのまま。多分。

■Left Alone / Mal Waldron
 冒頭に書かれたオムニバスLPを当時レンタルした理由はこの曲が入っていたから。この曲しか知らなかったのだ。今さらで紹介するのも何だが、我らがJackie McLeanが亡きBilly Holidayに代わってアルトで歌う有名な演奏。改めて聞くとマクリーンのソロは控えめで、音色で聞かせている。実はマクリーンはこういう音色一発の演奏は珍しい。「Left Alone / Mal Waldron」収録。

レフト・アローン(K2HD/紙ジャケット仕様)

レフト・アローン(K2HD/紙ジャケット仕様)

■Stella By Starlight / Claude Williamson
 一転してアップテンポのステラ。ピアノトリオ演奏で、爽快にややラテン風味でスゥイング。時折はいるブレイクが味付けとなっている。「'Round Midnight / Claude Williamson」収録。

クロード・ウィリアムソン・トリオ

クロード・ウィリアムソン・トリオ

■Autumn In New York / Dexter Gordon
 「ニューヨークの秋」の決定的名演奏と思っている。デックスがフレーズの一音一音を大切に歌っていることがよくわかる。目を閉じるとセントラル・パークの紅葉、という妄想。「Daddy Plays the Horn / Dexter Gordon」収録

ダディ・プレイズ・ザ・ホーン(K2HD/紙ジャケット仕様)

ダディ・プレイズ・ザ・ホーン(K2HD/紙ジャケット仕様)

■Lover Man / Howard McGhee
 ごく普通の、やや小粒ながらも丁寧な演奏。イントロを付けずにいきなりテーマを吹き出すのもいいし、ソロのままテーマに戻らずぶっきらぼうに終わってしまうのもまたいい。「The Return of Howard McGhee」収録

ザ・リターン・オブ・ハワード・マギー

ザ・リターン・オブ・ハワード・マギー

■My Funny Valentine / Duke Ellington
 珍しいDukeによるスタンダード演奏。一筋縄ではいかないハーモニー。冒頭のクラリネットのビブラートからテナーに意向、そしてトロンボーンによる盛り上げ。ラストはこってりとしたトランペット陣による個性的なソロ掛け合い。ブランジャー、ミュートなし、ミュートなどソロの掛け合い。どこをとっても言葉がでない。「Duke Ellington Presents」収録

Duke Ellington Presents

Duke Ellington Presents

■Stardust / Donald Byrd
 これはStardustの名演奏の一つ。バースからじっくりと歌い上げていくDonald Byrdのカルテット演奏。歌心あり、かつ緩急あるソロに聴き惚れるばかり。「Motor City Scene / Pepper Adams」収録

モーター・シティ・シーン

モーター・シティ・シーン

■Love Letters / Jimmy Knepper
 Jimmy KnepperのトロンボーンとGene Quillのアルト、そしてピアノにBill Evansという渋豪華なメンバー。メインテーマを演奏するGene QuillとそれにからみつくJimmy Knepperが素晴らしい。ソロはGene Quillの独壇場。ビバップフレーズと伸びやかなアルトの音色。これだけで必要十分と思わせる。「A Swinging Introduction to Jimmy Knepper」収録

ア・スウィンギン・イントロダクション(K2HD/紙ジャケット仕様)

ア・スウィンギン・イントロダクション(K2HD/紙ジャケット仕様)

■Softly , As In A Morning Sunrise / Vinnie Burke
 ごく短い、ラストへのインタールードのようなソフトリー。バックに手拍子とギターの小さいハモが聞こえるが、基本的にベースのソロ演奏。短くもストーリー展開のきっちりとしたソロが素晴らしい。カップリングアルバム「Pettiford/Burke」収録

ベース・バイ・ペティフォード~バーク(K2HD紙ジャケット仕様)

ベース・バイ・ペティフォード~バーク(K2HD紙ジャケット仕様)

■Summertime / Duke Ellington
 最後はまたもデューク。ファンファーレ風のイントロから今度はハイノートバリバリの派手なソロ(Cats Andersonかな)。と大仰なアレンジが泥臭くていい。「Duke Ellington Presents」収録

Duke Ellington Presents

Duke Ellington Presents

 特に季節を選んだつもりはなかったが、改めて聞いてみると秋の夜長にぴったりの演奏ばかりになった。どれも本当におすすめのアルバムばかり。

関西へ(その2)

 ホテルで朝食を取り、地下鉄で谷町4丁目へ。難波宮跡地を散策ののち、大阪歴史博物館でしばし見学。古代から現代までの豊富な展示物には満足。精巧な江戸時代の街の模型も良かったが、ややバブルの香りが・・・。
 昼前に四天王寺へ移動。ここでは境内を見学。かなり火災でやられていて古代そのものの建造物ではないけど、立地条件としてはなるほどと学ぶところ多い。
 難波に移動して近鉄にて帰宅。いい旅でした。

 なお、写真が無いのはカメラが前日の西宮神社で壊れたためです。残念。

関西へ(その1)

 関西支社の某さんに誘われて朝から西宮へ。西宮戎の祭りを見物に行く。ここは灘の酒で有名な酒どころで、露天では各社のお酒が振る舞われるというわけ。

 10時過ぎに合流し、11時ころ到着。神社に奉納される酒樽などを見学したあと、新酒を試飲。昼間から飲む酒は背徳的・・・。
 その後市内の酒蔵を数カ所廻る。歴史的にも興味深く見学した。

 その後大阪市内に移動し、法善寺横丁などをぶらついたあと心斎橋筋をまた歩く。狭い路地だがものすごい人だかりの商店街だった。さすが大阪。
 夕方近くなり、十三に移動。元祖のネギ焼き屋で軽く食する。関西を満喫した一日だった。関西支社の某さんありがとうございました。
 某さんとはここで別れて、また淀川を渡りホテルに着く。

Art Blakey and the Jazz Messengersのアルバム

 Art Blakey and the Jazz Messengersは長い歴史を持っていて、色んな時期にいいアルバムをたくさん出している。有名なものも含めて、駆け足で見てみる。

  • At the Cafe Bohemia

 Donald ByrdHank Mobleyのフロント。熱気が感じられる演奏でいい。Avila and Tequilaがいいかな。この頃はまだBlakeyのリーダー名義ではない。Horace Silver在籍でバッキングがゴキゲン。
[rakuten:americanpie:10067221:detail]

 Moanin'として知られているアルバム。名盤の誉れ高いのはさすがで、何度聞いても全曲いい。Moanin'の哀愁と爆発、Are You Realのハードバップ、Along Came Bettyの端正さ、Drum Thunderの構成美、Blues Marchの楽しさ、Come Rain or Come Shineのアレンジの妙。ソロはLee MorganBobby Timmons、曲はBenny Golsonということで悪かろうはずがない。

Moanin

Moanin

  • Roots and Herbs

 Lee Morgan - Wayne Shorterによる二管フロントになってからは全盤買って損なし。ファンキーさと複雑なハーモニーの両立が素晴らしい。
 中でも特に好きな本アルバムは全編Wayne Shorterのオリジナル。チャールストンサウンドPing Pongはじめ渋い良曲だらけ。Wayne ShorterはMessengers時代にソロの腕をめきめき上げるんだが、ここではすでに安定しつつある。

Roots & Herbs

Roots & Herbs

 Curtis Fullerを加えて三管編成になった最初期のアルバム。A La Modeのモード感、爽やかなCircusが印象的。Gee Baby Ain't Good to Youなど渋いスタンダード選曲はShorterの好みなんだろうか。
[rakuten:hmvjapan:10314790:detail]

  • Free For All

 Wayne Shorterの在籍する三管編成としては後期のアルバム。Freddie Hubbardのtp、Curtis Fullerのtb、Ceder Waltonのpが揃い、無敵とでも言いたくなるサウンドが押し寄せる。タイトル曲Free For Allの音圧。ラテンのリズムで疾走する様はまさにFree Fall。ファンキーなHammer HeadとスタイリッシュなPensativaもいい。曲数こそ四曲と少ないが、全員が名プレイヤーで名作曲家なので、圧力いっぱいの充実度でお腹一杯になるアルバム。
[rakuten:hmvjapan:10233619:detail]

  • Straight Ahead

 70年代にアコースティックジャズ界全体が低迷し、Jazz Messengersも大きな話題はない。80年代になるとWynton Marsalisの加入によって話題性が戻り、折からのジャズ再評価の機運もあって復活をとげる、というのが定番の解説。
 本アルバムでは「Fallin' in Love with Love」「Webb City」「E.T.A.」「The Theme」など全編で素晴らしい演奏を繰り広げる。フュージョン時代を抜けて、リズム感がややタイトな感じになったのが特徴かな。アルトサックスのBobby Watsonがキーマンで、スタンダードやジャズマンオリジナルのアレンジもの(本アルバムでの「Falin'in Love with Love」「Webb City」)、Watson本人のオリジナル(「E.T.A.」や他アルバムの「Ms.B.C.」「In Case You Missed it」「Fuller Love」)がいいバランスで配置されている。ソリストWynton MarsalisとBobby Watsonなので悪かろうはずがない。ややテクニックに走り気味だが、ジャストなタイミングで超絶技巧のフレーズを吹きまくる姿は若さがあっていい。

  • New Years Eve at Sweet Basil

 Blakey晩年のJazz Messengersは、プレイヤーがめまぐるしく変わり、若手のプロモーションバンドみたいになる。年齢的なものもあって、じっくり練ったアレンジやアルバムが少なくなるのは仕方ないが、その中で特にいいのが本アルバム。Terrence BranchardとDonald Hurrisonによる新鮮な感覚のフロント。Jazz Messengers古典の「Blues March」「Moanin'」も軽くアレンジし直されて蘇っているし、特に冒頭の「Jodi」の伸びやかなメロディとソロが素晴らしい。
[rakuten:hmvjapan:10416967:detail]

 本エントリではJazz Messengersの中でも特に有名な時期を選んで紹介した。本エントリで紹介していない時期でも、Jackie McLean在籍時やWoody Shaw在籍時などにも隠れた名演奏がたくさん存在するし、ライブ盤もいいものがたくさんあり、紹介しきれない。ジャズを象徴する素晴らしいバンドだったんだと改めて実感する。

八事山興正寺

 住まいから近い名古屋市昭和区興正寺というお寺に行ってきた。地下鉄八事駅下車。比較的新しく1600年代の創建。名古屋そのものが関ヶ原以後に出来たから当然といえば当然。尾張徳川家ゆかりのお寺。
 これは正門。徳川家の葵の紋が見える。

 入ってすぐに山門。その向こうには五重塔が見える。

 これが五重塔1800年代の再建だが、愛知県最古なんだそうだ。五重塔としては小ぶり。

 周囲は名古屋のそれなりの街並みでマンションなどのビル群が見える。それらを避けて、少し高台から見た五重塔。この辺がいちばんいいアングルかな。

 少し山を登りお墓を抜けるとお堂が見える。中には大日如来の、3mほどの大仏が鎮座。結構迫力あり。

 尾張徳川家の位牌などが置かれたお堂。この写真だと山の中に見えるけど、本当にすぐ裏手は某大学の構内なので、時折学生が歩いていたり。
 都心の中に残る古刹という感じだった。名古屋の中では古いお寺ということで車の乗り入れも多く、あまり風情はないのでその辺を期待してはいけないのかな。

白山スーパー林道をドライブ

 白山スーパー林道岐阜県の白川村と石川県の白山市を結ぶ広域林道。その名のとおり白山の雄大な景色を堪能することができる林道として有名なんだが、いかんせん遠いので今まで行ったことがなかった。今回初めて来訪。

 ある程度標高が上がって、岐阜県側を見た写真。やや穏やかな山並みが広がる。眼下は合掌造りの白川郷だが、ここからは視認できない。

 トンネルを抜けて石川県側に入ると、険しい男性的な景観。そこら中に崖崩れの跡が残り、活発な造山活動を伺うことができる。

 美しい滝もあった。ふくべの大滝というそうだ。谷の中にそびえる姿は神々しい。
 こうした景観を見ると自然への畏怖の念を感じる。白山は信仰の対象にもなった山だと言うが、なるほどと感じる。

 険しい山岳の中に作られたトンネル。上の岩山が圧倒的。落石を防ぐロックシェッドもそこら中にあり、災害復旧工事中の場所もたくさん。維持管理はさぞ大変だろう。

加藤模型

 東京の某所を歩いていたら、鉄道模型で有名な加藤模型の本社を発見。見学コースもあるみたいで、プライベートだったら中を見学したかったが、仕事で来ているので断念。
 路面電車らしい本物が置いてあった。