Somethin'Elseの枯葉の別テイクを聴いた

 「Somethin'Else / Cannonball Adderley」収録のはテイク2なんだそうで、東芝EMIのサイトで幻のテイク1が聴ける、とのことで聴いてみた。
 これがそのサイト。期間限定のようなので、開けない場合はご容赦を。
http://www.emimusic.jp/jazz/bnjf/special/20080820.htm

 サイトにも書いてあるが、テイク1はCannonball Adderleyのソロが今いちで没になったらしい。確かにちょっとまとまってないし、ミストーンがある。ただ、サイトに記載された破綻というほどのものかな、とは思う。
 興味深いのは、イントロのMilesとCannonballのアンサンブルの音が少し違うことや、Milesのテーマからソロの流れはほとんど完成されていることだろうか。特に後者は、例えばMilesはこの曲のテーマで6度の音を吹いて(7小節目)、これがとても効果的なんだけど、今回のテイク1でもそれは聴くことができる。即興演奏とはいえ、実に周到に計算して吹いていたんだな、というのが伺えるわけだ。
 没の原因になったCannonballも決して悪くないと思う。マスターテイクで聞き慣れたフレーズをここでも豪快にならして、さすがの出来。という曲素材そのものは特に大きな抑揚のない曲なので、吹いているうちにちょっとまとまりがなくなった、というのが正直なところなのだろう。おそらくこの日初めて吹いたんだろうし。
 それにしても、この曲に参加したメンバーで存命Hank Jonesだけというのも、少し寂しい。Hankは90歳くらいのはず。ご長寿を願うばかりだ。