Jeru / Gerry Mulligan

 Alec Dorseyによるコンガが加わる趣向だが、あくまでMulliganのアレンジの枠の中での品のよいコンボ演奏となっている。ワンホーンということでMulliganの技量が存分に味わえるアルバムだ。
 良演奏ばかり。ドミナントモーションによるII-V連続のコード進行を主体としたラテンナンバー。出足は上々というところか。はおそらくスタンダード。奇をてらうフレーズは吹かないが、ここにはこれ、というドンピシャの安定感と音色で聞かせる。はGershwinの<A Foggy Day>に似たテーマを持つCole Porterのオリジナル曲。はミディアムのブルースでリラックスした表情が印象的。はバラードでしっとりとした味わい。

 地味な印象は否めないが、Gerry Mulliganバリトンをじっくり味わいたい向きにはお奨めの一枚。決して派手でない、ドラムの控えめなサポートが光るあたりも聞き所だ。

Jeru

Jeru