Re-Birth of the Cool / Gerry Mulligan

クールの再誕生

　Miles Davisのを再演しよう、という企画盤。Miles役はこの当時売り出し中だったWallace Roneyが担っている。Milesが亡くなったのが1991年で、このアルバムの発売が1992年だから、形を変えた追悼盤なのだろう。
　は９人編成での演奏。オリジナルはとても古くて録音技術が低いので、各楽器がどういう音を出しているのかがよくわからなかったんだが、このＣＤは各楽器の音がはっきりと聞こえ、歴史的なアレンジをたっぷりと楽しめる点が良い。特にGil Evansのアレンジによるの繊細なハーモニーがはっきりと聞こえるのは嬉しいところ。残念なのはドラムがほとんど目立たない点かな。
　アドリブの聞き所はいくつかあるが、特に良いのはのWallace Roney。Milesのコピーから一歩進んで自分の味を出していると思う。