European Concert / The Modern Jazz Quartet
全盛期のMJQのライブ盤。僕はMJQのスノビズムが微笑ましくて好きなんだが、かつて在籍していた大学コンボのメンバーはあまり好みではなかったと記憶している。まあ激しくドンシャンやるジャズじゃないし、あまりインタープレイで互いが反応しあう、というジャズでもないからかもしれないが。
MJQの大きな魅力は二つの要素に分解できる。僕ごときが今さら言うまでもなく、それはジョン・ルイスの作曲とミルト・ジャクソンのアドリブ。
前者はジャズシーンでは熱心に語られることが少ないと思うが、一見ジャズとは不釣りあいに思える作曲面での機能美・構築美・様式美がこのバンドの魅力の相当部分を構成していることは間違いないと思う。
そして後者は言うまでもなくMJQが持つジャズバンドとしての生命線だ。アドリブ担当がミルトという非凡な才能だったところに、MJQの最大の利点があった。
そしてこの二つの要素の融合がMJQの真骨頂。一聴クラシックかと聴きまごうかのような構成を、ミルトの才能あるアドリブがどう発展させていくか。制限がある中での冒険、それをこなすミルトのアドリブにMJQのウリがあるというわけだ。
ここまで書いて思ったが、誰もなしえなかった、マネできなかったジャズ界でのビジネスモデルがここにはあるといえる。唯一というのはビジネスでもジャズでも最大の武器なんだなあ。
今日聴いたのは二枚組みのDisc1の方。かつてのA面・B面に相当する。Disc2はC面・D面になるわけだ。
Disc1
- Django
- Bluesology
- I Should Care
- I Remenber Clifford
- Festival Sketches
- Vandome
- Odds Against Tommorow
Disc2
- Pyramid
- It Don't Mean A Thing
- Skating in Central Park
- The Cylinder
- 'Round Midnight
- Bags' Groove
- I'll Remember April
Milt Jackson vib , John Lewis p ,Percy Heath b ,Conny Kay ds
April 11,12,13 ,1960