東京おのぼりさん

 東京都中野区の某ホテルをチェックアウト。用意した帰りの電車まで時間があるので、どこかへ行こうと少し思案。
 「そうだ、都電に乗ろう」
 というわけで、携帯の地下鉄路線図を見つつ都電へのアクセスを考える。「町屋か三ノ輪か、大塚か。。。」結局南北線で王子へ。JR王子駅前で都電を探す。「あ、これか」
 ちょっと方向感覚を見失いつつ何とか都電の駅に到着。早稲田行きに乗る。出発直後、大きく小山を迂回。「ここが飛鳥山か。歴史の教科書で見たな。。。江戸近郊の観光地だったって。」
 つらつらと考えている間に道路から専用軌道へ。都電はかなり庶民的な、背の低い町並みの中を専用軌道で走っていく。予備知識の無い人間が、この眺めだけ切り取って見たら、きっと東京ではなく地方都市だと思うことだろう。昭和の香りがする。はるか彼方の高層ビルが、ここは大都会の一角なんだということを物語っている。道路の幅がとても狭い。昭和の香りの原因は、この道路幅と建物の低さだろう。
 そうこうしている内にJRの大塚駅前。谷間の地形なんだな。山手線内に入る。ここも専用軌道。ときどき幹線道路を横断する感じ。鬼子母神近くでは地下鉄工事に遭遇。現在建設中の13号線だろう。危なっかしい仮の基礎上に組まれたレールの上を都電は走る。
 しばらく行くと学習院下。この辺りから都心の風景。見慣れた東京都心らしい背の高いビルが立ち並ぶ、ごみごみした町並みになる。道路幅は狭いけどもビルの高さが高いから、ごみごみした印象なんだなあ。ほどなく早稲田で終点。
 早稲田からはバスで上野まで行き、秋葉原まで歩き、JRで東京駅へ。この辺りでちょうど昼時になった。新幹線で名古屋に戻る。

 実は秋葉原は初めてだった。かつては電脳街とも呼ばれた。最近はオタクの街としても有名になっているようだが、確かにそんな感じはするが、それほどでもないかなあ、と思っていたところ、僕が歩いたのは上野方面で、こちらはそれほど濃度の高い街ではなかった模様。今度はもっとオタク度の高い一角を歩いてみようと思う。