Open Sesame / Freddie Hubbard

 年始早々に訃報が入ったFreddie Hubbardのソロデビュー作にして名作。
 本作の聞き所は、何といってもデビュー作にがぜん張り切ったFreddie Hubbardによる、タイトル曲に代表される奔放なソロの色あせない輝きだ。後年の豪快さこそさすがにないが、初々しくも素晴らしい楽器コントロールで、丁寧にフレーズを吹ききっており、その後のHubbardの良さがすでに十二分に現れている演奏だと思う。
 なお、このタイトル曲を作曲したのはテナー奏者のTina Brooks。この曲は、マイナーキーでラテンリズム、サブドミナントへの転調、その後のII-V-Iの連続などのコード展開が、Sonny Rollinsに似ており、おそらくモチーフかインスピレーションの一つくらいにはなったのでは、と思っている。もちろん魅力的なメロディは完全にオリジナルのものであり、色あせないエヴァーグリーンの魅力となっている。同じくBrooks作曲のも哀愁たっぷりのブルースベースのオリジナル。
 そのほか、そつなく配置されたスタンダードがいい演奏。
 その後何度も共演するMcCoy Tynerとの相性もぴったり。テナーのTina Brooksは、難しいことこそしないが、音色と歌いまわしの魅力で聞かせるプレイヤー。いいアルバムです。

OPEN SESAME

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