専門分野が新聞記事になったときの感想

 一般に新聞の記事というのは正確なんだ、と頭から信じ込んでしまいやすい。新聞というのは大抵名の知れた出版社が出版しているから社会的な信用力もあるし、そもそも活字になると、その内容って根拠のないリアリティが出てしまうんだよね。
 でも、たまに新聞記事で、自分の知っている内容に関する記事が間違っていると、「ああ、新聞も間違いがあるんだな」ということがわかる。最近では、13日に拙ブログで引用した新聞記事がその一例だった。この記事には、マニュアルに関する知識を持っていたら書かない明らかな間違いがある。具体には、この部分。

ところが、「効果を過大に計算している」との批判を受けて算定方法が見直されたマニュアルに基づき、同社が今年行った再計算では約26億台キロになった。

 特に知識なく読むと、ほほうそうなんだ、と思うかもしれないが、実際の費用便益分析マニュアルには、台キロを出す方法はどこにも書いてない。交通量の見直しで台キロが減ったのは事実なんだけど、それはマニュアルが見直されたこととは別の話。知ってたらこういう誤解を招く言い回しは絶対にしないだろう。まあ本記事の場合、内容の大筋は合っているので特に訂正もされないと思うけど。

 こういう具合に、自分が知っている内容に関する記事にアラが見つかるということは、他の自分がよく詳細を知らない記事についても、アラはあるものなんだ、と考えていいと思う。だからといって情報不信になるのではなくて、そういうこともあるよね、という心構えを持ちつつも、情報を収集してくれたこと自体には感謝しつつ、活用するようになりたいものだ。