紀州熊野路

 紀州は熊野方面にドライブ。紀勢自動車道の延伸で伊勢の実家から近くなって、約2時間で熊野市付近に到着。以前なら倍はかかっただろう。
 天気もよく小春日和。早速美しい海が広がる。

 今回は熊野の鬼ヶ城という名勝に向かった。
 紀伊半島の南東には、リアス式海岸と呼ばれる海と陸が入り組んだ海岸線が広がる。そのリアス式海岸はここ熊野市付近で終わり、そこから南は七里御浜(しちりみはま)と呼ばれる浜辺が広がる対照的な風景を見せるわけなんだが、鬼ヶ城はその結節点に当たるわけ。
 ここがその鬼ヶ城鬼ヶ城は初めて訪れた。男性的な雄大な風景に圧倒される。一見して砂岩が海水に浸食された地形だとわかる。いわゆる千畳敷といった平場地形。波際の岩が浸食されて出来たんだと思う。

 大きな空間が広がる。人間の大きさと比べて雄大さがどれだけ実感してもらえるだろうか。海面から十数メートル上の地形。下も砂岩だったから、おそらく波に打たれて徐々に浸食された砂岩が、地震などで隆起して出来た地形だと思う。

 上の写真と同じように見えるけど違う写真。

 鬼ヶ城からトンネルを経て、獅子岩に至る。獅子岩は、その名のとおりの岩。日本のスフィンクスなんだとか。こっちの方が天然の分だけ価値あるんじゃなかろうか。これも砂岩だね。ガオー!

 さきほども書いたが、こうしたリアス式海岸由来の荒々しい地形が、いきなり浜辺の雄大な地形に変わるのがとても面白い。浜辺は七里御浜と呼ばれるところ。その名の通りここ熊野から和歌山県境の新宮付近まで、30km近くにわたって浜辺が続く。
 普通の浜辺と異なるのは、砂浜だけではなくて、小石が海岸にころがっているところ。まるでどこかの河原みたいに、砂利が広がっている。ときには手のひらいっぱいのサイズの小石があったりする。普通、海に流れ着いた石は波の力で細かい砂に分解されるわけだけど、この七里御浜付近にはこれといった大河川がないことから、南に位置する熊野川からの土砂が流れ着いて打ち上げられているのだろうか、それとも先ほどの鬼ヶ城付近の岩だろうか、でもあれらは砂岩で弱いから波の力には負けて砂に戻ってしまうはず・・・とかいろいろ考たりする。

 七里御浜には座礁したフェリーが横たわり、正月休暇の地元民の格好の野次馬スポットとなっていた。

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