80年代ジャズの思い出

 masakiは見た目だけじゃなくて中身までオッサンになったんだな、と思っていただいて構わない今回の投稿なわけだが、それがどうしたということで。

 80年代のジャズが最近好きだ。それは自分が本格的にジャズを聞き始めたころのリアルタイムのジャズ。もっと細かく言えば80年代半ばから90年代初頭。自分が高校生から大学生の頃のジャズ。
 ちょうどジャコ・パストリアス死去のニュースが飛び込み、ギル・エヴァンスがマンデーナイトオーケストラを結成し、ウィントン・マルサリスやボビー・ワトソンを擁したモダンなメッセンジャーズを復活させたアート・ブレイキーが元気で、トニー・ウィリアムスが4ビートに回帰し、マイルスが最後に元気だったあのころのジャズ。
 当時の日本はプラザ合意に伴う円高不況対策として実施された日銀の金融緩和で生じたバブル経済へ向かうころで、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とか言われていた。「ジャパンマネーでアメリカ全土が買える」とか言われていた。
 ジャズフェスも盛んだった。マウント・フジ・ジャズフェスティバルが日本で数回開催されたのは当時の世相をよく反映している。こうした状況は90年代初頭のバブル崩壊まで続いた。当時大学生だった自分は、深夜に放送されるジャズフェスを仲間で見たり、大学ジャズ研を募って開催されるイベントに出席したりしたものだった。

 閑話休題。80年代ジャズは60年代当時の大物が復活していろんなイベントに顔を出し、質の高い音楽を気楽に聴かせてくれた時代だったと思う。ちょうどLPからCDへの移行期で、初期のCDで作成されたものが多い。
 80年代ジャズは、死んだかに見えた4ビートジャズ復活後の現代のジャズの先駆けとなったものだが、ほとんど復刻がなされていない。特に新生ブルーノート関連は僕の知る限り一切復刻が無く、その質の高い演奏が2010年代の古典になっていない現状(そして未だにCD復刻が70年代でストップしている状況)はとても悲しい。厳しい音楽業界ではあるが、何とか復刻を望みたいところ。

Live at Sweet Basil, Vol. 1

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Foreign Intrigue

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リバース・オブ・ブルーノート~ベスト・オブ・ワン・ナイト・ウィズ・ブルーノート

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